2021年の気候災害は何十億ドルも損害をもたらした(2022年1-2月号)

2021年の気候災害は何十億ドルも損害をもたらした(2022年1-2月号)

アダム・ジェイコブソン[*]


2022年1-2月号

ミュンヘン・リ社によると、自然災害は2021年に世界中で2,800億ドルの損失をもたらしたという。そのうち1,450億ドルが米国で発生し、そのうち850億ドルが保険によって保障された。これらの損失の大部分は、厳しい天候によるものであった。ハリケーン「アイダ」は最も費用がかかり、650億ドルの損失をもたらした。このほか、テキサス州の寒波により電力の大半を失った300億ドルの損失や、12月にいくつかの州を襲った一連の竜巻による52億ドルの損失も含まれている。

ヨーロッパでは集中豪雨により壊滅的な洪水が発生し、ドイツだけでも400億ドル、それを含むと540億ドルの損失がもたらされた。また、中国では深刻な洪水により165億ドルの損失が発生した。ミュンヘン・リ経営委員会委員トルステン・ジェウォレックは「2021年の自然災害のイメージは憂慮すべきものであった」と述べた。「気候研究によれば、極端な天候がより起こりやすくなっている。社会は、増大する気象リスクに緊急に適応し、気候保護を優先させる必要がある。」

トピックス
気候変動、新興リスク、環境リスク、保険、国際的、自然災害


注意事項:本翻訳は“Weather Disasters Caused Billions in Losses in 2021”, Risk Management, February 2022, p.30 をRIMS日本支部が翻訳したものです。原文と和訳に相違があるときには、原文を優先します。本文中は敬称略です。

[*]ヒラリー・タットルは、本誌上級編集者。