ホリデー シーズンでの緊急事態対策のための5つのヒント(2024年11-12月号)

ホリデー シーズンでの緊急事態対策のための5つのヒント(2024年11-12月号)

エリック・スペイセク[*]


2024年11月-12月web特別版

 ホリデー シーズンが近づくにつれ、多くの組織が増加する活動に向けて準備する。これは必然的にセキュリティ リスクの増大につながる。組織は、従業員と建物を保護して全員の安全を可能な限り確保する方法を綿密に検討する必要がある。ホリデー シーズンまでの慌ただしさにより、セキュリティと緊急対応計画に重点が置かれなくなる可能性がある。適切な予防策を講じて警戒を怠らない組織は、重大なインシデントを回避し、発生したインシデントに効果的に対応する態勢を整えることができる。次のヒントは、組織が起こり得る緊急事態に備えるのに役立つ。

1. 緊急事態対策と対応計画を作成する

 緊急事態中に従業員と資産を保護することは、どの組織にとっても重要である。緊急事態を効果的に管理するには、組織の対応を導く計画を策定する必要がある。計画には、アクセス制御、監視、通信プロトコルなどの領域を網羅する必要がある。また、施設の地図、連絡先情報、計画のコピーを地元の対応機関と共有し、必要なときに効果的なサポートを提供できるようにすることも勧める。

 組織は、計画を実行する役割についてスタッフを訓練し、組織の緊急時対応能力を評価するための訓練を実施する必要がある。本格的な訓練が実行できない場合は、机上演習が適切な代替手段となる。机上演習を実行するには、緊急事態のシナリオを決定し、演習に参加する15人ぐらいのチームを集める。その後、うまくいった点を評価し、改善点を特定する。

2. セキュリティ アプローチを決定する

 最善の努力を払っても、組織は暴力のリスクから逃れることはできない。セキュリティ チームを設立することは、スタッフと訪問者の安全を守るために大いに役立つ。セキュリティのオプションを検討する際、非武装のボランティア セキュリティ チームを編成すると、追加的なリスク遭遇可能性を最小限に抑えることができる。チームに、疑わしい行動を監視し、非暴力的な事件をエスカレートさせないようにし、施設内の人々に危険を警告するよう依頼する。

 もう 1 つのオプションは武装セキュリティです。これには、地元の法執行機関または民間請負業者を雇うか、従業員とボランティアのチームを設立することが含まれる。法執行官とセキュリティ請負業者は、自分の行動に対する責任を負う必要があるが、組織は社内チームの場合、最大のリスク遭遇可能性に責任を負うことになる。組織が請負業者を雇うか、社内のセキュリティ オプションを確立するかにかかわらず、保険会社に連絡して計画について話し合い、適切な保険が適用されることを確認する必要がある。

3. 屋外エリアを適切に維持する

 適切な照明は、犯罪を抑止するためのシンプルで効果的なツールである。暗闇は犯罪を起こしやすくするため、電球が切れただけでも犯罪の機会になる。組織は、犯罪を企む者が隠れられる場所を制限するために、窓や入り口の植物も刈り込む必要がある。

 侵入者の立場で考えることも重要である。組織は、建物の周囲を歩き回り、侵入者が施設に侵入しようとした場合に隠れられる場所を特定する担当者を割り当てる必要がある。簡単にアクセスできる窓など、侵入しやすい場所を検討する必要がある。こうして、これらの観察結果を使用して、侵入者や泥棒を抑止するための簡単な変更のリストを作成できる。

4. 潜在的な脅威に注意する

 暴力行為を予測することは不可能であり、暴力を企てている人物を確実に特定する方法はない。組織は、より大きな脅威の存在を示す可能性のある破壊行為や徘徊など、すべての潜在的な脅威を真剣に受け止める必要がある。

 潜在的な脅威はさまざまな形で現れる。組織は定期的にソーシャル メディアを確認し、組織の内部または外部から発生する脅威につながる可能性のある問題に注意する必要がある。脅威には、組織のメンバーまたは従業員との家庭内問題、不満を抱く従業員、地域の不安などがある。

5. セキュリティ担当者を徹底的に調査する

 適切な身元調査を行うことで、組織は信頼できるスタッフやボランティアを選別できる。また、犯罪行為によって組織が被る可能性のあるコストを回避し、組織の評判を守ることにも役立つ。組織は、正面玄関の門番や、組織に関する機密情報、金庫や特定の文書の所在を知っている人など、セキュリティを担当するすべての人の身元調査を行う必要がある。

トピックス
犯罪、リスクマネジメント、安全、セキュリティ


注意事項:本翻訳は“5 Emergency Preparedness Tips for the Holiday Season”, Risk Management Site (https://www.rmmagazine.com/articles/article/2024/11/13/managing-organizational-risk-during-layoffs ) December 2024,をRIMS日本支部が翻訳したものです。原文と和訳に相違があるときには、原文を優先します。本文中は敬称略です。
エリック・スペイセクはチャーチ・ミューチュアル・インシュアランス・カンパニー(S.I.)リスク統制担当部長補佐。