AIの導入に対して、その成熟度は遅れている(2025年11-12月号)
ヒラリー・タトル[*]

AI導入の速度」は「その使い手の成熟度」を上回る
Workiva社が2,300人以上の財務・サステナビリティ・監査・リスク管理の専門家を対象に行った調査では、回答者の74%が日常業務でAIを定期的に使用しており、88%が過去1年間のAI活用により、投資収益率(ROI)が顕著に向上したと回答している。
AI導入が急増する一方で、Workiva社の調査によると、「ほとんどの企業はAIを安全かつ効果的に対応するための基盤インフラを欠いている」ことが分かった。実際、3社中2社はAIの重要な構成要素、すなわちシステムを活用するための高品質なデータ、従業員向けのAIガバナンスとセキュリティポリシー、そしてAIツールの使用方法に関する役割別のトレーニングを欠いていた。
「データの正確性・ガバナンス・セキュリティポリシーの欠如は、組織を制御不能なリスクにさらす」と報告書は指摘する。「AIの基盤となるデータが不正確であったり、望ましくない操作にさらされていた場合、AI活用による効率性の向上は、費用のかかるエラー、誤った意思決定、そして潜在的な評判の低下につながるだけだ。」
また、この調査では、実務担当者は経営幹部の2倍の割合で、自社のAI活用能力に「測定可能な効果をもたらす自信がない」と回答していることにも注意したい。
トピック
サイバー、人工知能、新興リスク、知的財産、法的リスク、規制、リスク評価、セキュリティ、テクノロジー
注意事項:この記事は、“AI Maturity Lags Behind AI Adoption,” Hilary Tuttle | RIMS Risk Management Site, November 4, 2025をRIMS日本支部が翻訳したものです。原文と和訳に相違があるときには、原文を優先します。本文中は敬称略です。
ヒラリー・タトルはリスクマネジメント誌の編集長。
鈴木英夫はRIMS日本支部の主席研究員。